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AimAce|法面屋さんには「法面師」がいる。呼び名から設計したブランディング

2026/8/18

徳島県三好市を拠点に、法面工事を手がける有限会社エイムエース様。

最初にいただいたご相談は、「会社の認知と採用を強化するWebサイトが欲しい」というものでした。

けれど、社長と話を重ねるうちに、

「ロゴも新しくしたら面白いよね」
「せっかくなら現場の写真も撮りたい」
「パンフレットもつくろう」
「会社にある工作所にも名前をつけてみようか」

と、次から次へと楽しいアイデアが生まれていきました。

AimAce様は、とにかくユーモアが素晴らしい会社です。

「こうしてみるのはどうだろう?」という発想が、社長の中からどんどん出てくる。法面師の皆さんも孫のためにおもちゃを作ってみたり、棚を作ってみたり。正直、僕よりもクリエイター精神が強いのではないかと思うほどでした。

最初はWebサイトから始まったプロジェクトが、ロゴ、写真撮影、パンフレット、名刺、採用表現、マグネット、工作所のネーミングへと広がっていったのは、制作物を増やしたかったからではありません。

対話を重ねるたびに、AimAce様らしい魅力が次々と見つかっていったからです。

今回は、そんなAimAce様と一緒につくり上げたブランドと制作物をご紹介します。

法面屋さんには、「法面師」がいる。

AimAce様は、地域に根を張って法面工事を続けてきた、いわゆる「法面屋さん」です。

「法面屋さん」という呼び方には、会社や組織を表すだけでなく、地域から親しまれてきた温かさがあります。

そのため、「法面屋」という名前を別のものへ変えようと考えたわけではありません。

僕が表現したかったのは、その法面屋さんの中で働く、一人ひとりの存在です。

実際に現場へ足を運び、働く方々と接する中で感じたのは、AimAce様には本当に素敵な人が多いということでした。

斜面の状態を見極める経験。
自然を相手にする判断力。
仲間の安全を守る責任感。
自分の技術を磨き続ける姿勢。

「作業員」という呼び方が間違っているわけではありません。しかし、その言葉だけでは、彼らが持つ専門性や志まで十分に表現できないと感じました。

彼らは、「法面」という仕事に人生の時間を惜しみなく使ってきたから。地域のために志高く仕事をされているから。

法面工事をされている皆さんは、地域の山を主体とした安全を守るプロフェッショナルです。

そこで、法面屋さんの中で働く一人ひとりを表す職能の名前として、「法面師」という言葉をつくりました。

法面屋を、法面師に変えたわけではありません。

AimAce様は法面屋であり、その中には誇りを持って働く法面師たちがいる。

この関係性を、採用表現の中心に据えました。

業界を進化させて、今日より明るい未来を創造する

AimAce様のブランド全体を支える言葉として掲げたのが、

「業界を進化させて、今日より明るい未来を創造する」

というミッションです。

長年培われてきた職人の技術を大切にしながら、ドローンなどの新しい技術も積極的に取り入れていく。

昔ながらの建設会社という枠に収まるのではなく、自分たちの手で業界の未来を面白くしていく。

ロゴやWebサイトを新しくすることも、「法面師」という言葉をつくることも、AimBaceという場所を発信することも、すべてこの姿勢につながっています。

AimAceロゴ|山で働く会社だと、一目で伝わるシンボル

AimAceのロゴは、山を舞台に働く会社であることが一目で伝わる形を目指しました。

山のシルエットの中には、「AIM」の文字が隠れています。

造形を直線的で角のある形にすることで、職人の力強さだけでなく、ドローンなどの新しい技術を取り入れていくAimAce様の次世代感も表現しました。

目指したのは、一般的な建設会社のロゴではなく、アウトドアブランドのように、身につけたくなるロゴです。

作業着やユニフォームだけでなく、私服として着ても格好いい。ステッカーやグッズにしても、自然と使いたくなる。

もしかすると、アウトドアブランドやギアが好きな人がロゴを見て、「この会社、少し気になる」と思ってくれるかもしれない。

そんな採用への小さなきっかけまで考えながら、AimAce様らしいシンボルを設計しました。

Webサイト|仕事の正確さと、次世代の法面屋を伝える

Webサイトには、施工の正確さを象徴する細い線とグリッドを採用しました。

規則正しく組まれたグリッドは、法面工事に求められる精度や、職人たちの丁寧な仕事を表しています。

同時に、AimAce様がドローンを積極的に活用していることから、デジタルやテクノロジーを感じさせる次世代的な印象も意識しました。

情報量を増やして説明するのではなく、写真、言葉、余白を生かしながら、とにかくシンプルで、スタイリッシュで、分かりやすいサイトを目指しています。

事業ページでは、法面工事を知らない人にも「何をしている会社なのか」が伝わること。

採用ページでは、条件だけで職場を探している人ではなく、「何者かになりたい」と思っている人の心に届くこと。

この二つを大切にしました。

AimAce様に入社することは、ただ現場で働くことではありません。

技術を身につけ、一人の法面師を目指すことでもある。

そんな働く未来が想像できる採用ページを設計しました。

写真撮影|つくられた格好よさではなく、現場にある格好よさを

Webサイトや名刺、パンフレットに使用する写真も撮影させていただきました。

パンフレット|必要な情報を挟み込める、A4三つ折りの設計

パンフレットは、A

4用紙を三つ折りにしたコンパクトなサイズで制作しました。

表面では、「法面師募集中」という力強い言葉を大きく配置。開くと、法面師という仕事や、AimAce様の働く環境、福利厚生、AimBaceについて知ることができます。

さらに、求職者に渡す募集要項やチラシをパンフレットの間に挟み込めるように設計しています。

会社の考え方やブランドを伝えるパンフレットと、条件など更新される情報を掲載するチラシを分けることで、募集内容が変わってもパンフレットそのものをつくり直す必要がありません。

見た目だけでなく、採用活動の中で実際に使い続けられることまで考えたデザインです。

名刺|一枚で、どんな会社なのかが伝わる

名刺は、単に名前と連絡先を交換するためのものではなく、小さな会社案内として設計しました。

表面は、情報を整理したシンプルなレイアウト。

裏面には、法面工事の現場やドローンの写真を大きく使用し、初めてAimAce様を知る人にも、どんな仕事をしている会社なのかが直感的に伝わるデザインにしています。

法面工事は、言葉だけで説明しようとすると難しい仕事です。

だからこそ、名刺を渡した瞬間に写真を見てもらい、「こういう仕事をしている会社です」と会話を始められるようにしました。

一枚の名刺が、会社を知ってもらう最初のプレゼンテーションになります。

法面師マグネット|車社会の徳島で、新しい言葉を広げる

「法面師」という言葉は、このプロジェクトから生まれた新しい呼び名です。

言葉をつくるだけでは、地域には広がりません。日常の中で繰り返し目にしてもらい、少しずつ記憶に残していく必要があります。

そこで制作したのが、車に貼ることができる強力なマグネットです。

黄色と黒の警告表示を思わせる配色に、斜面で働く法面師のシルエット。そして、

「法面師がノリ面に乗ってます」

という、少しユーモアのあるコピーを組み合わせました。

車での移動が多い徳島だからこそ、社用車そのものを地域との接点にすることができます。

信号待ちや移動中にこのマグネットを見た人が、

「法面師って何だろう?」
「ノリ面に乗ってるって、どういうことだろう?」

と少しでも気にしてくれる。

その小さな引っかかりを重ねながら、「法面師」という言葉を地域の記憶に焼きつけていくことを目指しました。

AimBaceロゴ|法面師たちの、大人の秘密基地

AimAce様の事務所には、木材加工やものづくりができる工作所が併設されています。

社員が工具や木材を使い、自由にものづくりを楽しめる場所です。

社長との打ち合わせの中で、

「この工作所にも格好いい名前をつけて、福利厚生として大々的に発信したら面白いのでは?」

という話になったことから、ネーミングとロゴの制作が始まりました。

コンセプトは、「法面師たちの大人の秘密基地」。

AimAceとBaseを掛け合わせ、「AimBace」と名づけました。

AimAceのロゴが持つ力強さや直線的な印象に対して、AimBaceの「Bace」は、手書きのような軽やかな文字で表現しています。

決められたものを正確につくる仕事とは少し違い、自分の想像力次第で、何でも自由に生み出せる。

そんな遊び心と創造性を感じられるロゴを目指しました。

AimBaceは、単なる工作所ではありません。

職人たちが仕事を離れても手を動かし、ものづくりを楽しめる、AimAce様らしい企業文化を象徴する場所です。

「こうしたら面白い」から、ブランドは広がっていく

今回のプロジェクトでは、最初からすべての制作物を決めていたわけではありません。

Webサイトについて話しているうちに、ロゴのアイデアが生まれる。
採用について考えているうちに、「法面師」という言葉が生まれる。
会社の工作所について話しているうちに、AimBaceが生まれる。

一つの制作物が完成するたびに、次の「こうしたら面白い」が見つかっていきました。

これは、XENO.だけでつくったブランドではありません。

AimAce様が持つユーモアや発想力、現場で働く法面師たちの技術と志を、社長と何度も話しながら、言葉とデザインへ変換していったブランドです。

ブランディングは、会社の外側をきれいに整えることではありません。

その会社の中にすでにある、まだ言葉になっていない魅力を見つけること。そして、その魅力が伝わる呼び名や体験、制作物を、一緒につくっていくことだと考えています。

法面屋さんには、法面師がいる。

その言葉を起点に、AimAce様の技術、志、人柄、そして未来への姿勢まで伝わるブランドを目指しました。